田畑智子 映画 ふがいない僕は空を見た
映画『ふがいない僕は空を見た』は、2011年の本屋大賞で2位、第24回山本周五郎賞を受賞した窪美澄の小説「ふがいない僕は空を見た」の映画化。そこで、保田圭と似てる田畑智子が全裸のラブシーンをしたことで話題になっています。
第2弾となる映画『ふがいない僕は空を見た』の内容は、助産院を営む母子家庭で育った高校生の斉藤卓巳と、「あんず」と名乗るアニメ好きの主婦、里美。この2人の物語を中心として「性」と「生」を生々しく描いているように思います。すでに、見た人の評価も上々みたいですね。田畑智子もフライデーに撮られたり、ヘアの写真集出したりと話題作りも進んでいますよね。
映画『ふがいない僕は空を見た』の見所は、永山絢斗演じる斉藤卓巳、田畑智子演じる里美。ことが終わった後に卓巳は「いいの? いつもゴムつけないで」と質問。これに里美は「大丈夫、計算しているから」と答える、そして、「そろそろ、ダンナ、帰ってくるから」と優しい言い方で、突き放すと言う、映画『ふがいない僕は空を見た』の最初のシーンから、エロモード全開で始まっている。ネットには、画像も出ています。
というのも、原作の「ふがいない僕は空を見た」は5つの短編からできている連作小説なんです。映画『ふがいない僕は空を見た』の最初の部分は、第8回「女による女のためのR-18文学賞」大賞に輝いた、「ミクマリ」が基本となっているんです。
そして、映画『ふがいない僕は空を見た』の物語が進行するにつれ、卓巳や里美、さらに彼らの家族や知人といった人々の姿を通して、今の日本が抱える大きな社会のゆがみ等が、徐々に浮かび上がってきます。
また、代表的なエピソードである「セイタカアワダチソウの空」の部分では、母親は外に男を作ってほとんど家に寄らず、コンビニでバイトをしながら認知症の祖母の面倒をみているという設定なんだけれど、そこでの話題のシーンが、「なんで俺を生んだの?」とドア越しに語りかけるのがとっても印象的です。
また、別のシーンの「おまえさ、今のままじゃ丸っきし丸腰じゃん。親が金持ちとかなんか才能あるとか、そういうの今のオマエに何もないでしょう。大卒のステータスくらい装備してもいいんじゃない」とアドバイスする何気ないやりとりのセリフの中に、見ているものの心をしっかり捉える言葉が巧みなく出てきます。
映画『ふがいない僕は空を見た』の最初に語られる「ゴムつけないでいいの?」と言うセリフに、里美役の田畑智子が「大丈夫」と答える単なるエロトークの会話にも思えるのだが、里美が抱える苦悩があったことがわかり、大きな意味を持ってくるんです。
映画『ふがいない僕は空を見た』は、田畑智子が単に全裸で抱き合うシーンが売りの映画ではないということです。映画『ふがいない僕は空を見た』を見はじめると登場人物1人ひとりがいろんな問題をもち、その問題を乗り越えようと葛藤している人間ドラマです。
ちょっと、余計かもしれないけれど、映画『ふがいない僕は空を見た』で助産院での出産シーンが出てきますが、このシーン、実は本物の出産現場を撮影しているということです。「性」と「生」、この2つの言葉が、いろいろな意味で混じり合ってリンクしている、素晴らしい映画です。